「医療有害事象・対応指針」
真実説明に基づく安全文化のために
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※指針の見直し
医療安全は日々進歩していることから、本指針については必要に応じ検討および見直しを行うこととする。

はじめに

医療安全が今日のように重要視され、全ての医療機関において取組まれることとなったのは、1999年に立て続けに起こった二つの大きな医療事故(横浜市立大学医学部附属病院での患者取り違え、東京都立広尾病院での消毒液の誤注射)が契機となったことは周知の事実である。

全社連では、その年に社会保険中京病院(渋谷正人病院長)が中心となり、共同研究として「全社連医療の安全対策マニュアル」の作成に着手し、全社連の医療安全指針として2001年に発刊、CD-ROMとともに各施設への配布を行った経緯がある。

その後、誤薬等の薬剤関連事故が多発していたことから、2003年より各施設の看護師と薬剤師がペアで参加することを条件とした「リスクマネジャー養成研修(5日間40時間程度)」を開催するなど、医療安全研修にも力を入れてきた。

2005年には、全社連事業部に医療安全対策室を設置するとともに社会保険病院長の代表で構成される「社会保険病院医療安全対策委員会」を設置し、社会保険病院における基本方針(指針)の見直し等医療安全支援を行うこととなった。

本指針を作成するきっかけとなったのは、ハーバード大学医学部関連病院の医療事故対応指針である[When Things Go Wrong] Responding To Adverse Eventの日本語版(東京大学医療政策人材養成講座修了生有志チーム訳)を読んだことだった。この指針に流れている精神に共鳴した私は、これを全社会保険病院に紹介し、グループ全体で取り組むべきと考えた。ただし、ハーバードの指針は、必ずしも日本の現状にマッチしているとはいえない部分もあり、全社連として出来るだけ日本の状況に適した指針を作るべきと、全社連版を作成することになった。

ハーバード指針にある「医療は安全を目指さなければならない」「医療は患者本位でなければならない」という基本理念には国境はなく、むしろ日本の文化にこそ適応するものであり、全社連版の本指針にもそれは引き継がれている。

本指針を参考に、ひとつでも多くの医療機関が日本の医療があるべき患者参加型医療への取り組みを行ってくれることを祈念する。

最後に、本指針の策定にあたりご尽力いただいた委員の方々に敬意を表し謝辞を述べたい。

社団法人全国社会保険協会連合会
理事長 伊藤雅治