※指針の見直し
医療安全は日々進歩していることから、本指針については必要に応じ検討および見直しを行うこととする。
Ⅰ.基本理念
病院は、医療事故の発生・再発を防止し患者の安全と医療の質の向上を図らなければならない。
本指針は、ハーバード大学関連病院で使用されているマニュアルに準拠し作成したものであり、次のとおりの基本方針に基づいた組織的な対策を推進することによって事故の防止を図り、患者が安心して安全な医療を受けられる環境の整備を図ることを目的とする。
有害事象(医療事故)に対応するにあたって、本指針が示す基本理念は、①医療は安全を目指さなければならない②医療は患者本位でなければならない―の2点である。
①医療は安全を目指さなければならない
病院は、「学習する組織」にならなければならない。妥協することなく自己を点検し、継続的に改 善することを自らに課し、間違った方向に進んだ場合は、被害を受けた患者のケア、そして、自分たちのシステムを変更して医療過誤の再発を防止する義務を果たさなければならない。
②医療は、患者本位でなければならない
有害事象(医療事故)後のコミュニケーションは、被害を受けた患者を支援し癒すことができる関係の維持を目的としている。
患者と家族には、有害事象(医療事故)の詳細と今後の身体状況について知る権利があり、コミュニケーションにおいては、時期を逸しないこと、オープンかつ継続的であることを踏まえ「隠さない、逃げない、ごまかさない」という姿勢で患者との関係を維持しなければならない。
医療者の役割は患者の悲しみを和らげ支援すること、そして、患者が心から求めることに気を配ることであり、透明性と協調関係はきわめて大切である。
作成過程:本指針は、平成19年11月15日に社会保険病院医療安全対策委員会で決定した方針に基づき、同委員会マニュアル改訂ワーキンググループを設置して指針案を策定し、平成20年6月13日に同委員会で承認され、社会保険病院として採用されたものである。
謝辞:本指針は、ハーバード大学医学部関連病院の指針(「When Things Go Wrong」Responding To Adverse Event:A Consensus Statement of the Harvard Hospitals)(以下、ハーバード病院指針)に準拠して作成した。同指針作成者及び関係者に敬意と謝意を表する。
注釈:本指針では、実際の行動のための指針を簡潔に記載することを重視した。背景にある考え方などに関しては、ハーバード病院指針の原点または翻訳(http://www.stop-medical-accident.net/)を参照のこと。