「医療有害事象・対応指針」
真実説明に基づく安全文化のために
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※指針の見直し
医療安全は日々進歩していることから、本指針については必要に応じ検討および見直しを行うこととする。

予防可能な有害事象の情報を伝えるために必須な4つのステップがある。

 ステップ1:起こったことを患者・家族に話す。

 ステップ2:組織として対応する。

 ステップ3:過誤が明らかな場合には謝罪を行う。

 ステップ4:有害事象防止のために、何が必要かを説明する。

ステップ1. 起こったことを患者と家族に話す。

1.患者が直ちに知るべき情報を医療者が伝えないことは適当ではない。 詳細は後で構わないので、今、何が起こったかを話す。

2.有害事象の原因を特定するには慎重な分析が必要であり時間もかかるが、患者や家族は、即時の回答を望んでいる。

3.有害事象のすぐ後の話し合いでは、既知の事実に限定し憶測は避けなければならない。

4.憶測や予備的な結論は、患者や家族によって最終的な見解であると解釈されがちである。

5.初期的調査には限界があり、初めの印象は、その後の慎重な分析により否定されることがある。

6.憶測的な情報が患者や家族と共有され、分析の結果、否定された場合、医師は自らの間違いを強制的に正さざるを得なくなり、その後に提供される情報の信用に大きく影響する。

7.後に有害事象の防止のために推奨されるシステム変更がなされ、この情報が公表できる段階ならば患者や家族に伝えるべきである。

ステップ2.組織として対応する。

1.有害事象が特定の行為に起因していたか否かにかかわらず、担当医は患者や家族に対し、自分が対応する責任を負っていることを示すべきである。

2.有害事象に関して組織として対応することは、有害事象についての情報提供における基本的ステップである。

3.患者から治療を委ねられている以上、主治医は傷害を起こす誤りを起こさなかった時であっても対応する責任があると思わなければならない。
有害事象に対応する責任と責務は病院にある。

4.病院や病院管理者は対応すべき責任を受け入れて、病院が負うべき責務を患者や家族に伝えなければならない。

5.有害事象は個別性が高いことから、病院管理者と医師は、患者や家族への情報はできるだけわかりやすく伝えるべきである。

6.医師が有害事象と直接関係なかった場合、それについて責任を取るべきことは理解できないかもしれない。

7.この状況で取るべき責任は、有害事象における直接的な「過失があること」を表しているわけではない。有害事象には、多くの要因が関わっており、それは、個人がコントロールできるものではない。
しかし、チームのリーダーとして、担当医は、当該患者に医療を提供するシステムの中枢の役割を有している。

患者や家族は、医師が医療行為の責任者であると理解している。
患者は、自分のために医師が医療行為と安心を与えてくれることを期待している。
患者は、誰が状況に対応する責任者であるかを知りたいと思っている。

8.医師及び病院管理者が有害事象の責任を負うことは、その後の継続的な対応を行うことを意味している。

9.有害事象の原因を究明し、患者や家族に情報を伝え、有害事象に起因するどのようなことについても継続的な管理を行うべきである。

10.医療者は未来に類似した有害事象が発生することを防止するために、有害事象につながったシステムを改善すべきである。
もし、医師が有害事象に直接関わっているならば、医師は自分自身の役割についての責任を表明しなければならない。
また、医師は有害事象の要因を説明する際には、システムだけに責任転嫁すべきではない。

有害事象に関わっていたことを説明するために、次のような言葉がある。
「私達は、あなたの期待に応えることができませんでした。」
「このようなことが起こって残念です。」
「 院内のシステムに問題が発生してしまいました。私達は何が起こったかを解明し、二度とこのようなことが起こらないように努めます。」
「私達は、わかったことを、すぐにあなたに知らせます。」