「医療有害事象・対応指針」
真実説明に基づく安全文化のために
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※指針の見直し
医療安全は日々進歩していることから、本指針については必要に応じ検討および見直しを行うこととする。

A. 最初のコミュニケーション(その1):「何を伝える」「いつ行う」

1.医療者は、患者に影響した有害事象または過誤がどんなものでも、即座に患者や家族に知らせなければならない。
有害事象に対する説明が要求されるかどうかが不確かである場合は、医療安全管理者等に相談 する。

2.医療者は有害事象について、患者の傷害を和らげること、そして再発防止に寄与していること について誠実かつオープンでなければならない。
誠実なコミュニケーションによって患者に対する敬意が伝わる。
医療者が有害事象を認めないことは、患者にとって非常に悲惨なことであり、苦情または訴訟に向かう動機づけとなる。

3.有害事象がはっきりと過誤によるものでない(すなわち、予防不可能な有害事象のタイプa又 はタイプb)や原因が不明な場合、医療者は遺憾であることを伝え、何が起こったかの説明を行 い、傷害を和らげるために何がなされるかを話し合わなければならない。
患者に、傷害が医療行為の失敗ではなく、もともとのリスクであると理解してもらうことが重要である。
化学療法で、合併症のリスクが高いことが患者に良く知られているケースでは、説明し理解してもらうことが比較的容易である(図1)

4.まれにしか起こらない予防不可能な有害事象(タイプb)のために、完全なインフォームド・ コンセントが行われていたとしても、患者は、最初に「医療過誤があったのではないか」と考え ることがある。
それが医療者にとって日常的であると思うことであっても、何が起こったかについて、十分かつ忍耐強い説明を行うことが重要である。
患者の傷害に医療スタッフが真面目に向き合い、それが起こったことを残念であると考えていることだけではなく、それが防止できることではなかったことを理解してもらうことが重要である。

5.傷害が医療過誤に起因していたかどうかが明らかでない場合も有害事象を認めるべきであり、遺憾の意を表さなければならない。
また、事実が判明する前に自分自身又は別の誰かを非難し、有害事象についての責任を取るなどといった早まった判断をしないことも重要である。
患者・家族には、より多くの事実が明らかになった時点での完全な調査報告を行う約束をする。

6.有害事象が過誤又はシステムの欠陥(図1の予防可能な有害事象)により起きた場合には、より十分な説明と謝罪、有害事象を二度と起こさないための再発防止策の説明が必要である。
患者とのコミュニケーションについての主な責任は担当医にある。