特 色
(はじめに)
川崎社会保険病院外科では、癌などの悪性疾患の診断、手術、化学療法の他、腹膜炎、急性胆のう炎、急性虫垂炎などの急性期疾患の治療に積極的に取り組んでいます。消化器疾患、乳腺疾患、ヘルニアなどの疾患が中心となりますが、他に気胸などの呼吸器疾患、甲状腺疾患なども東邦大学医療センター大森病院外科と連携し診療しています。
医師は常勤医5名に非常勤医2名で構成され、チームワーク良く診療にあたっております。
(当科の特徴)
当科の特徴は、近年増加傾向に大腸肛門病の診療経験が豊富であるということです。当科の医員は、日本大腸肛門病学会事務局のある東邦大学医療センター大森病院外科出身の医師で占められ、大腸癌などの悪性疾患や内痔核、痔ろうなどの良性疾患の診断、治療経験が非常に豊富であります。また、一般病院では馴染みが薄く診療機会は少ないですが、滞在的患者さんが多いと思われる高齢者、経産婦の排便機能障害などの珍しい疾患の手術も手がけております。当科の手術におけるモットーは、安全性を最優先にし、術後合併症の軽減を目指した手術をすることであります。全ての手術は、外科学会、消化器外科学会、胸部外科学会指導医である専門スタッフ指導のもとに施行されております。消化器系癌、近年盛んに施行されている腹腔鏡下手術(大腸癌、胆石症、胃十二指腸潰瘍穿孔、急性虫垂炎などが対象)は長谷部行健、良性肛門疾患、排便機能障害は永澤康滋、乳腺疾患は奥山伸男が指導にあたっております。
(手 術)
過去5年間の手術件数は、全身麻酔714例、腰椎麻酔489例、鏡視下手術210例でした。疾患別では、大腸癌174例、胃食道がん122例、乳がん52例、肝胆道系疾患211例、鼠径ヘルニア179例、肛門疾患262例でした。主な悪性疾患の手術成績は以下の通りです。
大腸癌Stage別の手術後の成績(5年生存率)はStageT100% StageU80% StageV66.4% StageW33.1% StageT〜W74.8%
胃癌Stage別の手術後の成績(5年生存率)はStageT95.1% StagU64.8% StageV57.7% StageW13.1% StageT〜W70.1%
(化学療法)
癌治療における化学療法の重要性は近年ますます増しており、様々な職種との連携が重要であります。当院では、2005年に質の高い化学療法をより安全に施行するために、医師のみならず他職種との連携を図ること目的に、化学療法委員会を立ち上げました。また化学療法を受けられる患者さん専用の部屋を用意し、専任の看護師を配置し、患者さんが安心して化学療法を受けられるようにしました。薬剤師、検査技師、ケースワーカーとも密に連携をとり、患者さんが化学療法に専念できる環境作りに日夜努力しています。そのような体制のもと、術前術後の化学療法が必要となった患者さんに対し最新エビデンスに基づいた科学療法を施行しています。
2008年化学療法施行総数 総数399件 大腸癌175件 胃癌123件 乳癌96件 他5件
医療を取り巻く環境は、国の医療費削減政策、医療費自己負担増などの影響で、病院患者さんにとって厳しい環境となっています。そのような中でも、地域の人々に必要とされるような外科医療を提供できるように今後も努力していきたいと思っております。
|