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卒後臨床研修

千葉大学附属病院との協力型卒後研修プログラム

千葉社会保険病院 小児科研修プログラム

研修プログラムの目的及び特徴

この研修プログラムは日本小児科学会および厚生労働省の研修要綱も参考にして,千葉社会保険病院小児科が作成した独自のプログラムである。将来小児科を標榜しない場合においても,小児医療を自ら実践することで,小児医療の特性や社会における小児医療の役割を学ぶことを目的として作成したものである。

この研修プログラムを実践することで,

  1. 小児科が総合診療科であることを知ることができる。

  2. 成人とは異なった小児科独特の医療面接,診察方法,治療行為を経験できる。

  3. 小児から成人という縦軸の視点から医療を考える良い機会となる。

  4. 日本の小児医療の現状を考える良い機会となる。

  5. 小児特有の感染症を経験できる(麻疹、ムンプス、水痘、溶連菌、ヘルパンギーナ、手足口病、インフルエンザ、アデノウイルス感染、感染性胃腸炎、RSウイルス感染)。
    各種感染症の迅速診断を行うことができる。
    保育園、幼稚園、小学校における流行疾患の実態を学ぶことができる。
    集団生活における流行性疾患の対策について説明できる。
    乳幼児のプライマリーケア疾患(上気動炎、気管支炎、気管支喘息、胃腸炎、尿路感染症、アトピー性皮膚炎、乳児湿疹、とびひ、水いぼ、哺乳不良、体重増加不良)の診断と治療を経験できる。
    乳幼児のプライマリーケア疾患の診断、治療に関する保護者への説明を学ぶことができる。
    乳児健診を経験できる。
    予防接種について学ぶことができる。
    病児保育について説明できる。

研修プログラム責任者

野村 攝子(小児科部長)

教育課程

  1. 研修開始年度:平成17年4月1日
  2. 研修内容と到達目標
  3. 一般目標
    • 小児の特性を学ぶ。院内感染や年齢を考慮した病室配置の特性を学ぶ。成長・発達の過程にある小児の診察を習得する。
    • 小児診療の特性を学ぶ。対象年齢は新生児から思春期まで幅広く,それぞれの年齢に特有の診察方法を学ぶ。医療面接においては,保護者の観察や訴えに耳を傾け,的確な問診を迅速におこなうことを学ぶ。年齢に応じた小児薬用量の特性を習得する。
    • 小児期の疾患の特性を学ぶ。成人と同じ病名であっても,小児特有の病態を理解し治療計画を立てることを学ぶ。小児を診るためには総合的な知識が必要であることを経験する。
    • こどもの権利・プライバシーの保護を学ぶ。こどもにもおとなと同じ人権・権利があり,こうした視点での考え方を身に付ける。

    行動目標
    • 病児およびその家族もしくは関係者と良好な人間関係を確立できる。
    • 医師,病児,家族がともに納得できる医療を行うために,検査結果や治療計画について話し合うことができる。
    • 守秘義務を果たし,病児・家族の人権・プライバシーへの配慮ができる。
    • 医師,看護師,検査技師,薬剤師,医療相談士など医療の遂行にかかわる医療チームの構成員としての役割を理解し,チーム医療を実践できる。
    • 病児のかかえる問題点を的確に把握し,解決のための情報収集ができる。
    • 得られた情報をもとに,問題解決のための診療・治療計画を立案できる。
    • 自らが把握した病児の問題点や治療計画を的確に指導医に提示できる。
    • 指導医のもとに,治療計画を家族に説明でき質問を受けることができる。
    • 入退院の適応を判断できる。
    • 医療事故防止および事故発生後の対応について,マニュアルに沿って適切な行動ができる。
    • 院内感染対策を理解し実施できる。
    • 医療保険制度,公費負担制度を理解した診療をできる。
    • 節度と礼儀を守り,無断遅刻,無断欠席なく勤務できる。

    経験すべき診察法・検査・手技
    医療面接
    • 乳幼児に不安を与えずに接することができる。
    • 小児・学童から診療に必要な情報を的確に聴取することができる。
    • 病児の家族や関係者から病児の診療に必要な情報を的確に聴取することができる。
    • 緊急性が求められる場合は,診察をおこないながら必要な情報を収集できる。

    身体診察
    • 新生児・乳幼児の体重・身長が正しく測定できる。
    • 乳幼児・小児の血圧測定ができる。
    • 乳幼児・小児の身体発育・運動発達,精神発達が年齢相当のものであるかどうか判断できるようになる。
    • 乳幼児の咽頭の視診ができる。
    • 全身にわたる身体診察を系統的に実施できる。

    基本的な臨床検査

    病態と臨床経過を把握し,医療面接と身体診察から得られた情報をもとに必要な検査を選択し,小児特有の検査結果を解釈できる。

    • 一般尿検査(尿沈査顕微鏡検査を含む)
    • 血算・白血球分画(計算板の使用,白血球の形態的特徴の観察)
    • 心電図(12誘導)
    • 動脈血ガス分析
    • 血液生化学的検査・簡易検査(血糖,電解質,アンモニア,ケトンなど)
    • 血清免疫学的検査(CRP,免疫グロブリン,補体など)
    • 細菌学的検査・薬剤感受性検査
      検体の採取(痰,尿,血液など)
      簡単な細菌学的検査(グラム染色など)
    • 髄液検査
    • 単純X線検査
    • X線CT検査

    基本的手技

    乳幼児や小児の検査手技の基本を身に付ける。下線部の手技は指導医のもとに経験することが求められる。

    • 注射法(皮内,点滴,静脈確保)を実施できる。
    • 採血法(静脈血)を実施できる。
    • パルスオキシメーターを正しく装着できる。
    • 胃管の挿入と管理ができる。

    基本的治療

    乳幼児や小児の治療の特性を理解し実施する。

    • 体重別の必要輸液量を計算できる。
    • 輸液治療の適応を決定でき,適切な輸液内容と輸液量を決定できる。
    • 輸液,尿量,飲水量を含めた一日の体液バランスをチェックできる。
    • 毎日の体重をチェックし,その増減の意義を理解できる。
    • 体重別・体表面別の薬用量を理解できる。
    • 薬物の作用,副作用,相互作用について理解し,薬物治療(抗菌薬,副腎皮質ステロイド薬,解熱薬,麻薬を含む)が実践できる。

    医療記録

    チーム医療や法規との関連で重要な医療記録を適切に作成し,管理するために,

    • 診療録(退院時サマリーを含む)をPOS(Problem Oriented System)にしたがって記載し,管理できる。
    • 処方箋,指示箋を作成し,管理できる。
    • 紹介状と,紹介状への返信を作成でき,それを管理できる。

    経験すべき症状・病態・疾患
    頻度の高い症状
    • 体重増加不良
    • リンパ節腫脹
    • 発疹
    • 発熱
    • 頭痛
    • けいれん
    • 多呼吸
    • 咳・痰・喘鳴
    • 嘔気・嘔吐
    • 腹痛
    • 便通異常(下痢・便秘・血便・白色便など)

    緊急を要する症状・病態
    • けいれん重積

    経験が求められる疾患(このうち3つは病棟で受持ちとなること)
    • けいれん性疾患
    • 発疹性疾患(下記のいずれかひとつ)
      麻疹,風疹,水痘,突発疹,手足口病,伝染性紅斑,溶連菌感染,川崎病
    • 細菌感染症(肺炎,気管支炎,胃腸炎,尿路感染症など)
    • 小児喘息
    • 先天性心疾患

    特定の医療現場の経験

    以下のなかからひとつは経験すること。

    • 乳児健診において母子健康手帳を適確に活用できる。
    • 指導医のもとに乳児健診を適切に実施できる。

  4. 勤務時間
  5. 原則として,午前8時30分から午後5時15分までである(患者が重症の場合はこの限りではない)。アルバイトは認めない。


評価方法

  1. 指導医により,各到達度目標に対する評価が行われる。
  2. 研修医は,各到達度目標に対する自己評価表を提出する。

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